2018年01月01日

「急ぐべからず」

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暮れになると年輩の方々から、「歳をとると1年がとても早く感じられる」という言葉を聞かされる。私自身も「右同感」である。
 教員時代の経験では、5コマ以上の授業時間がある日は一日がとても長く感じられ、春休みなどで事務的な仕事をやっているととても時間が早く過ぎた。

 徳川家康の遺訓とも言われる、「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし急ぐべからず」という言葉にある、「急ぐべからず」とはただゆっくり進みなさいという以上に、大切に一日一日を送るように諭しているのではあるまいか。

 生前、亡き母が遺言のように話してくれた事がある。母方の祖父が臨終の床にあるとき、「四人の子供達はまだ一人も結婚していないが、私はどうすればいいのですか?」と祖母が尋ねると、「そんなことは、ご縁があれば皆さんがどうにかしてくれる。それよりもお念仏相続を怠らずつとめなさい。」と答えたそうである。やがて「うちの娘をもらって下さい」という人があらわれ、妹たちも次々に嫁いで祖父の言ったとおりになったというのである。

 物事は期が熟すれば成就し、縁にふれれば動き出すというのが道理なのであろう。

 祖母が心配したように、この私もいろいろな不安な思いに悩まされる日々ではあるが、新年を迎えるにあたり祖父の残した言葉をもう一度聞き直したい。

 念仏の世界に身をおけば、どんな「重荷」であっても自分にしか背負えないと引き受けられ、いくら遠くても行き先が指し示されればたんたんと歩を進められるとの願いが祖父の言葉には込められていると思える。
posted by ryuouji at 13:46| Comment(0) | 日記
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